ダッシュボード 2009.01

かなりきれいでしたが,製造後 20 年が経ち表面にひび割れが出来ました.以前より,

  • フロントガラス への映り込みが かなりあり,見づらいことがある.
  • フロントスピーカー が ダッシュボード 下側にあり,斜め下向きに付いているため,どうやっても音の定位が低い位置になる. ( 純正の フロントスピーカー については オーディオ関係 を参照 )

ことが気になっていました.


ちょうどその頃,残念ながら,AE92 トレノ を廃車にする友人がいたため,ダッシュボード をもらって,少し ? 手を加えることにしました.載せ替えに当たっては

  • フロントスピーカー を ダッシュボード の上に持ってくる.
  • 空燃比計,排気温度計を組み込む.
  • フロントカメラ や リヤカメラ の画像が見られるように ディスプレイ を付ける.
  • ポータブルタイプ の ナビ が取り付けられるようにする.

を設計指針としました.


空燃比計,排気温度計,ディスプレイモニター の設置場所については,ダッシュボード 内に入れられないかと考えたのですが,

  • メータ 類は ハンドル で隠れないようにする必要がある.
  • スイッチ 類はすぐに手の届く範囲にある必要がある.
  • ダッシュボード の内側を大きく変えると クリアランス の確認が出来ない.( 普段通勤に使っている車なので,載せ替え時に クリアランス を確認してから工作をすることは時間的に難しい. )

と,制約が多く,半年ぐらいいろいろ検討して,結局 ダッシュボード の上側に カバー を付けて取り付けることにしました.

助手席側には スペース があるので,スピーカー の設置は簡単ですが,運転席側には スペース が無いだけでなく湾曲も大きいので,平らな面を作る必要があります.写真のように少し飛び出したような形になりましたが,視界は妨げられないようにしました.


上部の カバー は PP 製の台所用の水切り カゴ から切り出して成形した物です.途中で カバー の中に アンテナ一体型 の ETC を入れることを思いついたため,アルミパテ ではなく FRP で成型をしました.左前方の視界を妨げないようにするため,ダッシュボード に穴を開けてなるべく低い位置になるようにしてあります.また,この カバー の部分と ダッシュボード の形が スムーズ につながるように ダッシュボード 上面の形を修正してあります.

センター コンソール の表示板は 日東 クラレックス ノングレア と言う アクリル 板を使用して,裏面印刷をしてあります.また,センターコンソール 内は予想以上に温度が上がるようで,排気温度計が壊れました.その為,排熱用の煙突を付け,50 度を超えると ファン が動作し,強制排熱するようにしました.

排気温度計は インテグラル の物です.空燃比計は NEKO の AF-700 です.詳細は メーター のところを参照してください.

生地には アルカンターラ ( ALCANTARA® ) GLタイプ ( 色:ダークグレー ) を使用しました.アルカンターラ はあまり伸びないので,ダッシュボード の凹凸に合わせて,いくつかの パーツ に分け,つなぎ合わせる必要があります.つなぎ合わせた部分には ステッチ を入れました.通常の家庭用 ミシン を使用したため,R のきつい場所は大変でしたが,型紙を作ってから無駄の無いように生地を カット し,現物あわせで微調整をしながらつなぎ目を合わせました.

通常,ステッチ をする場合はかなり太い糸を使用して目立たせていますが,家庭用の ミシン ではあまり太い糸は使えないので,洋裁店で簡単に手に入る厚地用 #30 番の糸を使用しました.貼り付けには 3M の スプレーのり 111 を使用しました.

のりを付けると布地を滑らせて位置を調節することが出来ないため,非常に難しいです.一度張り付いてしまった布地の位置を調節する場合は,接着面の隙間に スプレー のりを付けた筆で少しずつ剥がしていくと,めくれてくるので,何とか可能ですが,ベタベタ になって大変です.生地の伸びが少ない場合は,凸面にはのりをあまり付けず,凹面と端の部分をしっかり接着する方が良さそうです.

作業時に表面についてしまった のり を取るために,3M の「クリーナー30」があった方が良いです.※アルカンターラ の貼り付けについては サンバイザー を参照してください.


スピーカー の取り付け板は,設置後に修理や交換のために取り外しが出来ないと困るため,フロントガラス に近い前方側は金具で スライド させて固定できるようにして,座席に近い後方側だけで ネジ 固定出来るようにしました.

スピーカー の カバー は アルミ 製の ネット を成形して,側面に アルミ 板を パネルボンド で取り付け補強した物です.右側の物は スピーカー 取り付け板をそのまま利用して,簡単に成形できますが,左側は ダッシュボード の形に合わせて,型を作って成形しました.

スピーカー の背面には穴を開けてあります.スピーカー の特性を生かすためにはそれに見合った容量の空間 ( エンクロージャー ) が必要になります.しかし,ダッシュボード 内部は色々な部品が入っているので,家庭用の スピーカー ボックス のような専用の密閉された空間は作ることが出来ません.その為,ダッシュボード 内部全体を エンクロージャー に見立てて,スピーカー 近くの ダッシュボード 内には吸音材と拡散材を入れてあります.特に スピーカー 近くに冷暖房用の ダクト の隙間があると音がこもってしまうので,隙間を埋めるように吸音材を詰めてあります.使用したのは中高音用の吸音材として シンサレート と 低音用の拡散材 カールロック です.また,右 スピーカー 近くにある メーター 周りの プラスチック 部品は,薄い作りのため,裏側に防振加工を施してあります.

左側の スピーカ 脇に見えているのは スピーカー 用の ネットワーク です.現在使用している スピーカー メーカー の社長さんと顔見知りのため,お勧めの クロスオーバー 周波数や,減衰 スロープ を教えてもらい自作した物です.安い部品で定数を決定してから,何社か コイル,コンデンサー を聞き比べて,好みの部品で作り直した物です.


センターコンソール の ディスプレイ には

設定車速以下 フロントカメラ 映像
設定車速以上 レーダー 探知機画面
バック 時 リヤカメラ 映像

が表示される様になっています.

フロントカメラ,リヤカメラ は アルパイン の HCE-C200F,HCE-C200R です.カメラ 部分には カメラウォッシャー が付けてあり雨や雪の時でも視認出来ます.

レーダー 探知機は ディスプレイ 画面に表示が出来る ユピテル の Z700Nsd です.指定店専用 モデル という物で,通常はお店で取り付けてもらう物のようですが,某オークション に出ていたので自分で取り付けました.( 私の車の場合,取り付けてくれといっても無理だと思いますが… )

ダッシュボード 下側 2009.08

純正 スピーカー の付いている ダッシュボード 下の パネル を,載せ替えた ダッシュボード に合うように修正しました.

ダッシュボード 使用した アルカンターラ 生地が,光の反射具合からか思ったより白っぽく見えます.ダッシュボード をまた作り直すのも大変だし,内装を全て塗るのも,場所によっては材質や スイッチ の表示等の関係で難しいので,載せ替えた ダッシュボード と既存の内装が違和感なく共存するように ダッシュボード 下側の パネル の色を変更しました.

変更に当たっては,必要の無くなった純正の スピーカー 穴を埋め,運転席側には サングラス を入れられる メガネ入れ を付けることにしました.

スピーカー の穴を パテ で埋める関係上,パネル の表面に施されている シボ 加工も全て埋めました.サングラス 入れは ヴェロッサ GX110 用を流用.比較的大きいため,湾曲の大きな サングラス でも問題なく入ります.

塗装は ウレタン 塗料を用い,後々同じ色を作りやすいように 2 色のみの調合としました.パネル の材質が PP 製で柔らかいため,パテ や塗装用の硬化剤は プラスチック 用の物を使用する必要があります.最後に上塗りとして 50 % つや消しの クリヤ を塗ってあります.

サンバイザー

サンバイザー

ダッシュボード 載せ替えで余った アルカンターラ 生地を利用して,写真のように サンバイザーを改良しました.使用したのは JCG11 プログレ の物で,バニティーランプ ユニット と カード入れ が付いています.

AE92 のサンバイザーは中身が厚手のボール紙ですが,バニティーランプ が付いている車種の物は硬質発泡スチロールです.基本的には車幅の近いプログレのサンバイザーを切った貼ったして AE92 の形に合わせてあります.( セルシオ用の バニティーランプ は AE92 の サンバイザー 並に大きいので,使用できません.流用する場合は車幅に注意しましょう.)

アルカンターラ 生地の貼り付けには ダッシュボード で使用した,3M の スプレーのり 111 を使用しました.ダッシュボード 載せ替え後,偶然,貼り付けについての情報を得ることが出来たので,今回試してみました.やり方は,

  • 貼り付ける物に「のり」を万遍なく スプレー して乾かす
  • 生地を被せて位置を合わせる
  • アイロン の スチーム を十分にあてて接着させる

というやり方です.とりあえずこの サイズ の物は上手く貼り付けることが出来ました.


サンバイザー の場合,生地の半分は ミシン で縫うことが出来ますが,被せて貼り付けた後の半分は手縫いになります.手縫いで閉じる時は通常の針ではなく,カーブ 針 ( 曲り針 ) を使うとやり易いです.